景気回復が、現在の一番の問題となっている。これに関係して、会社の中でも労務の問題が多くなっているようだ。
 世間では経営者の横暴として話題に出てくることも多いが、弁護士の立場で見ると、経営者としては、何とも仕様がないところも多いと思う。このような時代でも、順調な企業はあるので、世間では何とかするべきだ、何とかなるのだという論調もある。しかし、それができる経営者は一部だと思う。
 労働者は、労働法の保護があり、労働基準監督署の対応も、以前よりも労働者向きのようにも思う。これに対して、事業主(特に中小)は、孤軍奮闘するしかない状況だと思う。経営者としては、経営内容をよく把握し、譲れない数値を確認したら、静かにそれを守るしかない。
 こうした状況が続けば、雇用が減ることは明らかだろう。正社員としての採用が難しくなるのも当然だと思う。経営者は、人を雇わない経営に徹するだろうし、残業が問題にならない外注を使うだろう。無人の企業を考えることすらあるだろう。企業に、福祉・雇用を担わせる社会の仕組は、限界だろう。


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