従業員間で対立が生ずるのは、日常惨事だろう。

1 どちらかが会社のルールに違反することが原因の場合、会社(上司)としては、放置できない。注意するべき対象は明確だろう。

2 問題は、それぞれの価値観の違いから生ずる行き違いの場合、どうするかだろう。

(1) この場合、価値観の優劣を論じてみても決着がつかないことが多いだろう。従業員も、そのことがわかっている場合、どちらかが口をつぐんでしまうことになる。会社(上司)としては、日常業務に支障がなければそれで良しとする考え方もあり(そもそも対立をなくすことはできないのだから、エスカレートしなければ良いとする考え方)、放置されたままということも多いだろう。

(2) 従業員の一方が、自分の価値観に相手方が合わせないことはおかしいと考え、いつまでも攻撃を続けることもある。これがエスカレートすると収拾がつかなくなることもあり、どこかで打ち止めとするしかないことになるだろう。

3 こうした場合、何か工夫はできないものだろうか。

(1) 価値観については、会社(上司)は何らかのメッセージは日頃から出しておく必要がある。

(2) しかし、価値観の違いが残ったままの状態ということは十分にありうることであり、そのことを受け入れるカルチャー(風土)は必要である。この点のメッセージも日頃から必要だろう。

(3) 従業員の一方が、相手方の価値観を変えることはできないとあきらめて、その結果、口をつぐんだままの状態となることはありうるが、そこでその従業員が努力を停止することは会社(上司)にとって好ましくないことである。
 互いに変わっていくことは十分にあることであり、自分の殻に閉じこもってしまうことがないようにしたい。そのためには、「協力・扶助の連鎖」という状態を作り出す工夫が必要だろう。

(4) 人間はなかなか変わらないものだと考える人も多いと思う。しかし、毎日見ていると日々の変化が小さいため連続しているように見えてしまい、その結果、人間は変わらないと考えるのだと思われる。
 このことは自分についても同じで、自分はあまり変わっていないと思うことも多いが、昔の写真と比べたとき、その変化に愕然とすることはあるだろう。
 人間は、時間の経過の中でしか気がつかず変われないとすれば、自分も含めて記録に残すべきだろう。昔の写真として残すように、今の状態を記録に残すことである。
 時が経過し、昔の自分に愕然となれば、人は変わることに気がつくだろう。
 したがって、自分の考えたことを記録に残し、時間が経過してから読み直してみると良いと思う。


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