いじめが常態化しているのに放置すれば、企業の責任問題となる。
 しかし、いじめがあるかどうかは、把握が難しい場合がある。いじめられた従業員が、上司や仲間に訴えれば、早めにわかるだろうが、第三者に訴えて、そこから問題にされて、判明することも多い。
 こうした場合、被害者の求めは、金銭賠償だけでなく、いじめた従業員に対する処分や社長の謝罪などまで広がることもある。

 現代は、他人にきびしい社会になっており、被害を受けた人の求めは、エスカレートする傾向にある。しかし、気の毒な面があることは確かだが、無制限に求めが認められるものではない。被害者に認められる範囲はどこまでかを念頭に置いて、そこに話を落ち着けていく必要がある。
 こうした場合、弁護士が代理人として間に立つことは意味が出てくる。弁護士は、被害者に認められる範囲はどこまでかを説明するが、そのタイミングが重要であることは、経験的に実感として学んでいる。これを活かしてもらいたいと考えている。


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