金融機関の立場で書かれた中小企業再生論を読んでみた。
 債務者概況表、資金繰り実績推移表、ビジネスモデル俯瞰図といった書類の作成を行なう方法が説明されている。
 金融機関は、経費の削減は提案できるが、事業の中身について有効な提案ができないことを認め、重要なことは、その事業について必死で勉強して社長が思いつかないような改善策を考えることではなく、社長に会社の事業の中身を整理して示し、自らが改善策を思いつけるような機会を提供することにあるとする。

 確かに、私も、企業の再生を進めるときには、法的な手法の選択については、アドバイスできるが、利益を生み出す仕組は、社長が判断するしかないと思う。
 思い切って単純化して言うならば、会社の中に、利益を生み出す必要最小限の仕組はあるのか、それは何か、社長はそれをどうしたいのか、ということに尽きる。
 この点だけは、明確にしていただかないと、弁護士としても、何ができるかを説明できない。


シェアする