住宅の流通を世界的に比べた場合、日本は中古住宅よりも新築住宅の取引が圧倒的に多い。これに対して、アメリカやイギリスは、中古住宅の流通が圧倒的に多い。
日本における人口減少は、世帯数の減少となり、住宅の個数は、制限される方向に行くだろう。
コロナ禍によりネットを使った働き方が進む中で、仕事場はこれから大きく変わる。これまでのように恐竜のような大きなビルは必要ないのではないか。
これに対して、住まいは、より環境の良いものになっていくだろう。
こうしたことを考えると、不動産投資のあり方も変わっていくことになる。
住まいとしては、集合住宅を作ることを減らす。
そもそも集合住宅は、プライバシー保護の点で問題がある物件が多い。
また、再建築にあたっては集合住宅に住む人の意見がまとまらないと簡単に進められない問題がある。
環境の良い戸建て物件を取得する。
商業施設については、ある程度の規模と店舗の集約が必要だろう。


人口減少時代に、特に地方で使われなくなった土地があり、その利用の仕方を問題とする立場がある。
しかし、土地の利用は、それぞれの主体において必要なものを手に入れて管理利用していけば良いものであり、社会的にそのような利用されない地域があるからといって、関係のないことであると思う。
現在のそういう状況を持ち出して、共同利用することを著者は考えるが、そもそも共同利用ということ自身が社会的には難しい問題であるということの理解が足りないと思われる。
あくまでも個人が管理する形の中で、それぞれができることを考えるべきであり、共同利用という幻想に浸っていてはいけない。