民法改正による会社法改正(3)法定利率規定の廃止

商事法定利率規定(商法514条)の削除

民法の法定利率制度の見直しに伴い、商事法定利率規定(商法514条)が削除され、商取引にも、民事法定利率規定(新民法404条2項)が適用されることになりました。簡単に言えば、年利6%が、年利3%に下がります。

会社法における法定利率規定の削除

会社法が単行法として成立する以前は、会社取引については、会社が商人であることから(商法4条1項)、商事法定利率(商法514条)が適用されていました。しかし、会社法では、商法の準用を避けるという立法方針から、商事法定利率規定の準用ではなく、会社法条文として、独自に規定を定めていました。具体的には、会社法117条4項、119条4項182条の5第4項、470条4項、778条4項、786条4項、798条4項、807条4項です。いずれも、株式(新株予約権)買取請求の価格決定に関する遅延損害金の法定利率の規定で、商事法定利率と同様、年利6%と定められていました。また、会社法172条4項、179条の8第2項及び611条6項にも、同様の規定があります。本来は、商事法定利率の準用で良かったのですが。
そこで、「株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。」と改正されることになりました。したがって、ここでも、年利6%から年利3%への変更となります。


投稿者名 池野 千白 投稿日時 2018年03月30日 | Permalink