民法改正による会社法改正(4) 詐害的会社分割規定の改正
詐害行為取消権に関する民法規定の改正
民法424条1項ただし書において、「債権者を害すべき事実を」が、「債権者を害することを」に、改正されました。
また、詐害行為取消権に関する民法426条の規定は、「第四二四条の規定による取消権は、債権者が取消の原因を知った時から二年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。」とされていますが、新民法426条は、「詐害行為取消請求に係る訴えは、債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から二年を経過したむときは、提起することができない。行為の時から十年を経過したときも、同様とする。」と改正しました。
実質的には、後段の期間が、20年から10年に短縮されたことになります。
詐害的会社分割の取消に関する会社法の規定の改正
まず、会社法759条4項ただし書及び761条4項ただし書において、「残存債権者を害すべき事実を」が、「残存債権者を害することを」に改正されました。
また、会社法759条6項及び761条6項において、「効力発生日から二十年を経過したときも」が、「効力発生日から十年を経過したときも」に、改正されました。
詐害的事業譲渡に関する会社法の規定の改正
会社分割と同様に、事業譲渡においても、詐害的事業譲渡に関する規定において、詐害的会社分割に関する規定の改正と同様の改正がなされました。