会社法改正要綱案・各論(3)取締役の報酬規制
指名等委員会設置会社を除けば、取締役の報酬等は、株主総会決議または定款で定められ(会社法361条)、個人別の報酬等については、取締役会ないし代表取締役が決定している。これに対して、要綱案は、取締役会で、個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針を定めなければならないとした。この規制が及ぶ対象は、上場会社たる監査役会設置会社と、監査等委員会設置会社である。
第2に、金銭でない報酬等について、会社法361条1項3号を改正して、①株式又は株式の取得資金に充てるための金銭、②新株予約権又は新株予約権を取得資金充てるための金銭、及び、③これら以外の金銭でないものは、定款又は株主総会決議で決定することを要するとする改正案である。すなわち、①と②を加えるということである。
第3に、取締役の報酬等である「自己株式」・「自己新株予約権」について、出資の履行を要しない旨を定める場合には、会社法199条1項2号・4号、236条1項2号を適用しないとするものである。なお、この特則は、上場会社にのみ認められる。