会社法改正要綱案・各論(7)社債管理補助者
要綱案の「第三部 その他」には、「社債の管理」という項が置かれ、社債管理補助者制度の新設が検討されている。
現行法上、担保付社債を発行するには受託会社をさだめなればならず(担信法2条)、また、無担保社債の場合でも、原則として、社債管理者を定めなければならない(会社法702条本文)。しかし、例外規定に基づき(同条ただし書)、社債管理者を定めていないのが実務である。それは、社債管理者のコストの問題やなり手の問題とされる。他方で、最近、社債を利用した投資詐欺が発生しており、社会的問題となった。
このような状況を踏まえ、社債管理者を定めない場合に、限定された権限を有する社債管理補助者制度の新設となった。これにより、社債に関する最低限の事務業務を確保するとともに、コストの問題も解決しようとするものであろう。なお、社債管理補助者は、社債管理者同様、誠実義務と善管注意義務を有するとされる。
ここでにわかに議論となっものが、弁護士がこの社債管理者になれるかどうかという問題である。社債管理補助者の資格については、法務省令で定められることになるが、弁護士法人・弁護士が想定されている。