被後見人の死亡により、後見は終了し、相続が発生します。
病院の費用、家賃などの債務が残っている場合、相続人が相続放棄をしない限り、債務は、相続人が支払義務を負うことになります。
 ただし、後見人は、後見が終了した後でも、一定範囲で後見人の義務が存続し、急迫の事情があれば、被後見人であった者のために、必要な範囲で後見の事務を処理しなければならないとされています(応急善処義務)。
急迫の事情がある場合としては、相続人への引継ぎに時間を要し、遅れることで遅延損害金を請求されるおそれがある場合などです。
 後見人としては、相続人との間で紛争にならないように、記録・証拠を残すことが必要でしょうし、支払いにあたっては、必要な範囲で行なうことに注意するべきです。


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