中小事業者の生きる道
私は、弁護士であり、求められるのも弁護士としての知見、経験である。それは、主として法律に関する領域だ。関与してきた仕事は、多くは、中小事業者の案件である。
弁護士としては、具体的な事案に対して、法律的はこうだという話をする。
教科書的にはどうかという話は基本だろうが、現実にはどのように進んでいく可能性が高いか、何が問題となるか、などを話す。つまり、具体的な事案を前提に、依頼者の立場に立って説明する。
その上で、訴訟なり、交渉なり、現実の解決に向かって、多くの関係者と向き合って話をし、次々と起きる個々の問題を解決しながら、全体の最終解決をする。そこではリーダーシップが強く求められる。
単に資料を整理し、書面を作っているだけではない。基本的に、裁判官とは異なる仕事の筋道である。
弁護士、裁判官、検事に分かれる前は、司法修習生として、同じ教育を受けるため、同じような仕事のイメージがある。しかし、弁護士となったときに、仕事を進める上で重要な事柄は、裁判官や検事とは、全く別だととらえなければ間違えるだろう。司法修習生の延長でとらえたり、裁判官や検事の仕事からの類推でとらえたりできない。
弁護士としての意見を求められれば、これまでの経験から、いろいろと述べることはできる。しかし、見てきたものは、多くの中小事業者であり、その生きる道だったと思う。法律的な話は、ケースごとにそれぞれであり、他の人にただちに参考になるものではなく、また守秘義務がある以上、限界がある。
そこで、我が身も中小事業者であり、中小事業者の生きる道を常に考えてきた立場から、法律抜きの話をしてみようと思う。
法律を離れて、自由に考えてみます。