真に利用できる茶室
「マンションをリノベーションしたり、オフィスやカフェに設置したり。心安らぐ上質なおもてなしの場として茶室を求める人たちが増えている。」という記事がある。
この記事を見ていると、新しい茶室といっても、昔からの特徴をどこかでそのまま受け入れようとする傾向があるようだ。
路地に見立てたベランダにあるつくばいで手と口を清めること
器や窯や掛け軸等についての会話
にじり口の設置
こうした特徴を備えていないと、茶室とは考えにくいのかもしれない。こうした特徴があって、お茶に満足することができるのかもしれない。
これに対して、茶室は、茶人が自分の好きなお茶を楽しむために自分の好きなようにつくったものとする人もいる。
さらに移動式の茶室を作り、自分がいま座っている場所を感じてほしいとする人もいる。
書画を掛ける代わりに茶室から見晴らせる空間そのものを絵画と捉えた人もいる。
茶室を作った人は、月にどれくらいの頻度で利用するのだろうか?
茶室を作るのに要する費用と利用頻度を比べたとき、成り立つものかどうか疑問も出てくる。
このような茶室をめぐる様々な変化の中で、トポロジーの感覚で、そこで変わらないものを取り出してみることは有効だと思う。
これをすることにより、真に利用できる茶室は見えてくると思う。