コレクターが作品を売却するとき
作品を保管するためには、スペースが必要であり、相当の注意も要する。この点で、コレクターにとって、収集できる作品数の限界があるだろう。
収集しても、それを展示する機会は、意外に少ないと感ずる。自らの関心の程度にもよるだろうし、作品の大きさから来る手間も影響する。
流行・ランキングの変化から、作品も盛衰があるだろう。自らの関心の変化もある。
プライマリーで購入したものは、なかなか売却できないものだろうが、投資家の観点に立ってしまえば、数字の評価は歴然としている。
コレクターは、こうした状況の中で、作品を売却することになる。売却することにより、コレクターは、次の展開を考えることになる。
世の中では、作品を購入する人は、ごくわずかのようだ。これは経済的な余裕の問題でもあるが、むしろコレクターの姿が知られていないことが原因だろう。大コレクターは別として、普通の人であるコレクターの姿が知られていないと思う。特に、作品を売却することが、知られていないと思う。この点が、日本のアート界の問題だろう。