絵と額
林武のある薔薇の絵は、もともとは古径額に入れられていたものであったが、あるとき手彫りの金色の額に移された。
しかし、手彫りの金色の額に入れると、さすがに林武の薔薇の絵も抑えられたものになる。
このため、絵の所有者は、もとの古径額に戻した方が良いと考えた。
絵の所有者は、良い絵には、それに見合う衣装が必要との考え方から額を選んでいる。
これに対して、絵そのものを見れば良いのではないかという考え方もあるだろう。
額は、基本的には、外からの衝撃から絵を守るものだとも思える。
また、大きな重い額は、絵を飾るときに負担になる。
そこで、例えば、アクリルケースや白木の額に、林武の薔薇の絵を入れることもありうるのではないかと思う。
そうすれば、林武の薔薇そのものを味わうことができる。
この考え方は、絵の専門家や額を扱っている方には、とんでもないものと思われるかもしれないが、現在の私の感覚に近いものだ。