B4 他の作家に似ているということ
赤塚一三の「木間の親子」を購入しようと決めたとき、松坂屋百貨店の画廊の人が、「ルオーのような絵」と評した。
赤塚の個展の中で、新しい絵は、全般的に砂糖のようなものを感じ、その中で、人間が入れられた「木間の親子」に内面的なものを感じたため、購入を決めたものである。
私は、ジョルジュ・ルオー的とは思わなかったが、言われてみると、絵の印象としては近いものがある。
ジョルジュ・ルオーは、パリの美術学校でモローの教室に学んでおり、アンリ・マティスなどがその仲間とされている。マティスが「豪奢な装飾性と大胆な色面構成との統一による秩序を求めた」のに対し、ルオーは、「内面世界の表現に向かう」と評されている(西洋美術史159頁)。