B8 現代美術の大筋

 アメリカにおける抽象表現主義(1940年後半?1960年代)とヨーロッパにおけるアンフォルメル(1950年代)を見るとき、抽象化の重要な意味を忘れるべきではない。
 また、ダダ(第1次大戦後)の大きな影響を見るとき、現実への怒り、否定、破壊といったエネルギーの重要性も忘れるべきではない。
 抽象化とダダによってもたらされたネオダダ、ポップ・アート、ミニマル・アート、フルクサス、さらにはコンセプチュアル・アートなどの到達点は、歴史として重要である。それは、モダニズムの到達点と言っても良いだろう。
 これに対して、ポストモダニズムの中から、新表現主義が出てきたことは、モダニズムの歴史の中での変化を見るならば当然のことであろう。そして、ポストモダン芸術として、いくつかの波が現れたことも理解できるところである。もちろん、ポストモダン芸術の中にもコンセプチュアルな傾向をもつものもあり、その流れをきれいに整理することはむつかしいと思われるし、整理することが目的ではない。
 しかし、大筋の歴史は理解される必要があると思う。


投稿者名 管理者 投稿日時 2011年11月30日 | Permalink