C1(3) 自然の観察は、いかなる意味があるか。
赤塚一三の意見では、対象物・自然への取組みと、自分の中の成生物とは、かみ合わされる必要があるという意見を聞いた。そうすることにより、自然の中にある豊かな情報を生かすことができるという。
山内亮典は、雑誌などの写真を基にして油絵を描く。その理由は、現実の場面(自然)から描く(写生する)と情報量が多すぎて自分では収拾がつかないこと、収拾の努力をしているとその構図から自由に展開することが制約されてしまうこと、にあるということだった。
ゲルハルト・リヒターも写真から油彩をつくる作家であるが、リヒターが写真をほぼそのまま絵画とするのに対し、山内は、写真からの展開を行う点で異なるということだった。