C1(8) ルールをめぐる争い
スポーツでは、例えばフィギュアスケートの採点方法が変更になることにより、選手にとって有利不利に影響する。したがって、ルールの設定の仕方は重要な問題であることは、明らかだろう。スポーツの場合、参加者はルールに基づき競技することは、当然の前提であるため、ルールの設定が重要であることは、わかりやすい。
経済行為についても、ルールの設定があり、その設定方法が利益等に影響するため重要であることは明らかだろう。金融取引に対する規制など、報道されているところである。
これに対して、現代美術の世界はどうか。村上隆さんの指摘では、ルールがあり、それを踏まえる必要があるとのことである。私は、美術の世界に詳しいものではないが、フォーマリズムが、モダニズム芸術の規範とも言えたことや、アメリカの抽象表現主義から、ミニマル・アートやコンセプチュアル・アートへの流れを見ると、ルールというべきものがあるのだと思う。
私は、世の中の「競い」は、基本的にはルールを踏まえたものであり、そのルールの設定をめぐるものであると考えている。
現代美術の世界でも同様ではないかと思う。