C3 アートと生活
ハーブ&ドロシーは、自分たちのサラリーで購入することができ、自分たちのアパートに納まる作品を集めた、普通の勤務生活者の夫婦である。
そのコレクションは、自分たちの審美眼によるものであり、コレクションとしての価値も高く、最終的には美術館に納められたとのことである。
しかし、映画で見た2人のアパートの様子は、作品を無理に詰め込んだものであり、それはコレクションの数からしてやむをえないものであるにしても、アートと共に生活しているというには無理があるように思えた。
作家を支援することに結びついたコレクションであることを評価したいと思うが、アートをどのように生活の場に置くかという観点からは、別の道があるように思う。
私としては、もう少し作品を大事にする意味で、生活できる空間であってほしいと思う。そのためには、コレクターとしてではなく、生活の場を創るという立場で進めたい。