館長庵野秀明 特撮博物館
東京都現代美術館で見てきた。
特撮のために作られたミニチュアが、現代美術なのかどうかという問題設定は、意味があるとは思われないので、ここでは触れない。これだけミニチュアが集まり、具体的な特撮の方法が示されると、日本の技ということは実感できる。こうした日本の技が、コンピュータ時代に、どこまで続くのかという問題があることも理解できた。
しかし、なんと言っても感ずるのは、常設展示に比べて、随分混んでいたことだ。普段接する現代美術と何が違うのだろうか?
「縮み志向の日本人」でも指摘されていたように、日本人が好む細やかなものだからだろうか。日本美術の特色のひとつである奇想が日本人は好きであり、それが示されているからだろうか。現実世界を離れて没入することができる独自の世界に、世俗的な楽しみを見つけられるからだろうか。単に分かり易いからだろうか。こうした点を分析するだけの知見が、私にあるものではないので、仮説までまとめることができない。
人気に大きな差があったことを、ここでは受けとめたい。アーティストもこの点は考えるべきだと思う。