美術品は、いつまで価値があるか。
壊れたり、傷ついたりすれば、それだけ価値が下がるのだろう。保存状態は、査定の対象となるようだ。
このような問題は除外して、美術品は、いつまでも価値が変らないものだろうか。価値を、売却できる金額とするならば、市場の評価で常に変ることになる。金額ではないのだと考えるのであれば、その人の考える価値で良いのだろう。この2つの立場は、いつもせめぎあうことになるのではないかと思う。
しかし、保管スペースの問題があるから、すべての美術品が完全に残ることは難しいだろう。新しい美術家は、次から次へと登場するから、作品も増え続ける。美術館の数は、限界があると考えるので、どこかで作品は埋もれていくことになる。
このように考えると、美術品の価値についても限界があると考えざるを得ないだろう。多くの人の目に触れることにより、その人の作品と直ちに認知されるくらいになれば、作品は残る。美術家は、そこを考えざるを得ないだろう。きわめて厳しい道というしかない。