学校の教育
私は、岐阜大学教育学部付属小学校・中学校で育った。入学者は、くじ引きで決まったから、成績で選ばれてのものではない。教育のための実験校であり、どの先生も熱心であり、学校が楽しく、自分にとって本当に幸運だったと考えている。
理科では、教科書に従って進むというやり方ではなく、「100ccの水と100ccのアルコールを混ぜると体積はどうなるか」というような問題が示され、生徒同士、自分の考えを説明しながら、議論して進むというやり方で、ほぼ1年間通したこともあった。
近時、ゆとり教育の一環として試みられた総合学習に近いのかもしれないが、岐阜大学教育学部付属小学校・中学校の教育は超ユニークで、ともかくおもしろかった。それぞれの生徒が自分のもっている知識、経験を総動員して、相手が納得できる説明を行なうのである。
幼年期は、無理強いしてでも、記憶を重視し、反復継続させることが大事であるという考え方もあるようであり、私もそれを否定するものではないが、私の受けたような教育がなぜできないのか不思議でならない。