本家と分家
1 本家は、一般に、昔から続くものを継承する立場にあると考えられている。
その結果として、一族の出身地から離れず、旧来の仕事を維持する傾向がある。
継承する財産があるため、それを担保として利用し、資金調達するには、有利な立場にある。
しかし、本家は、昔からのものを維持しようという思考が働くため、思い切った転換、投資ができないことは、よくある話である。
2 分家は、どこに拠点を置くかは、本来自由である。しかし、不動産を主要な財産ととらえると、不動産の所在地に影響を受ける。場合によっては、本家と分家が隣同士ということもある。
分家がどのような仕事につくかは自由である。
日本の高度成長期は、長男は田舎に残り、農業に従事し、二男以下は、分ける土地がなければ都会に出て、サラリーマンとなった。
時代の変化により、どのような仕事が日当たりがいいかは変遷する。このため一族の本業が悪くなることはよくあることである。
仕事内容による差も当然にあるが、大きいのは地域差だろう。
ロスチャイルド家は、フランクフルト、ウィーン、ロンドン、ナポリ、パリに分家している。分家の盛隆は、地域差による影響が大きいと思われる。