在宅での死
健康に問題が生じた場合、入院する。そこで不治の病であることが分かった場合、少しでも生き長らえる設備が必要であるから、最後まで病院にいるのが良いと考えていた。弁護士の立場としても、そのような形を見てきたと思う。
しかし、「在宅」とは、自分の死に際ぐらい自由でありたいと願う人にとって、その思いを実現する手段なのである(文芸春秋スペシャル2011春号77頁)という考え方に接し、最後は自宅に戻るという選択肢も十分にあると思うに至った。
たしかに病院では、延命のための設備はあるが、家族が泊り込むことは大変なことであるし、自分の好きなものが自由に置けるものでもない。
しかし、家族の立場から言うと、少しでも長く生きて欲しいと思うから、最後は病院でと考えてしまうだろう。自分の死に際の自由を実現するためには、自分が元気なうちに、その意思を伝えておく必要がある。