老人の「戦略」
老人は、社会を支配している。したがって、老人に好かれれば恩恵を受ける。老人に好かれることが、若者には必要だと思うが、必ずしもそれを心がけている若者ばかりではない。それぞれの価値観・判断だろう。
ここまでの言い方は、自分が若者に属していると考える立場からのものだ。しかし、年をとるにしたがい、誰しも老人の立場が分かる。
老人は、老人なりに、自分が支配・維持してきたものをどうするかを考えている。そのときに考慮するものとして、自分がどのように扱われているかが大きな要素となる。それはやむをえないものだろう。
老人は耳が遠くなり、人の話が聞き取りにくくなっている。また、老人になると、いろいろ間違えることが多くなり、話も間違いなく聞き取ろうとする。そのために、のろくなりがちだ。こうしたことが老人の特色だと思う。
こうした特色により、老人は遠ざけられる。意外に一人ぼっちでいることが多い。
その結果、老人は、自分なりの「戦略」を持つ。(老人がどこまで意識して戦略と考えているかは、人それぞれなのでここでは「戦略」とする。)老人は、自分がどのように扱われているかで判断するようになる。
ここからは、若者に属している人たちへの話。
老人の「戦略」を知らないで事がスムーズに運ぶと考えたら誤りだ。この点を誤らないようにするために、道徳はあるといってもいいくらいだ。老人の「戦略」への対応は、それほど難しいものではない。
しかし、こうした若者の「戦略」を持たない若者が多いのが現実だ。