企業をどこまで大きくするべきか
自らが選んだ事業に専念し、成功させ、ある程度の規模になった。すると、自分の年齢と相談し、いつまでこの仕事をやるのだろうかと考える時期がくるだろう。
飲食店を経営するよりも客として行く方が楽であるように、事業を維持するよりも、どこかの時点で事業は後進に譲って、自らは生活を楽しんだ方が良いという考えも生まれてくる。
妻や子供からも「これからは生活を楽しみましょう。」と言われることも多くなる。
「事業を大きくすることは、あなたの野望にすぎないでしょう。」と言われることもある。
企業をどこまで大きくするべきかについて、私自身、明確な基準はもっていない。
企業は、どこまで取り組んでも際限のない対象であって、ここまでやれば大丈夫というものはない。したがって、まだまだ足りないと考えるのは、経営者の常だろう。
また、「あまりにも多くの人が、生きるために働き、幸せのために生きている。それもよかろう。だが、それでは高い生産性は望めない。高い生産性が欲しい?それなら、働くために生き、その副産物としての幸せを得るべきだ。簡単なことではない。働くために生きる人たちは、恵まれた少数のエリートたちだ。だがこうしたエリートは、新入りに寛容で、自ら選んだ道を生き、前向きな考え方を力説するタイプの人間だ。」(「強国」論 D・S・ランデス 三笠書房 494頁)という指摘は、大事だと考えている。
自分の健康と能力と、よく相談して自分で決めるべきだろう。