創業家の持株割合

 上場会社では、創業家の持株割合は低減することが多い。そもそも上場するということは、公器としての会社となることであり、プライベートな会社から変わることであるから、創業家の持株割合の低減は、当然のことであろう。
 また、会社のビジネスの速い成長に伴い、会社の資産規模が大きくなれば、創業家のメンバーのみで会社を所有することは至難の事柄だろう。
 しかし、持株割合の低減の結果、創業家のメンバーであったとしても、社長(取締役)を解任されたり、再任されなかったりすることが起こりうる。
 このため、会社の株式の過半数(3分の2であればもっと強い)を所有することは大きな意味があり、創業家には、その維持のために大きな葛藤があるのだと思う。
 1つの考え方として、会社が急成長しようと、そのための資金手当は自分(創業家)だけで行うものとし、株式の過半数以上は必ず所有するという立場がある。
 この立場を貫くためには、(1)資金手当できる範囲に会社の成長を抑制することが必要となり、(2)収益を生まない資産(自宅など)の購入は、課税された後に残る収益の範囲に限定しなければならないだろう。
 これは、弁護士としてこれまで見てきた立場からすると、大変にむつかしいことだろうと思われる。自らにルールを課し、厳格にそれを守らなければならないだろう。


投稿者名 管理者 投稿日時 2011年04月08日 | Permalink