豊かに生きるためには、質(クオリティ)を問うことになる。
お金をかけることがすべてではなく、脳の中での作用が必要になる。「物語が必要」というとらえ方も同じ考え方だろう。
脳の中での作用となると、きわめて個別的な問題となる。
もちろん「憧れ」が働く余地は大きいだろうから、流行のような、多くの人が同じ趣向を持つことはあるだろう。しかし、他の人からの影響を少なくし、自らが求めるものを追求すれば、きわめて個別的な問題となる。
個別的な問題として、それぞれが自分の考え方で進むと、そこでスタイルができる。スタイルは、色々となるだろうが、現実には、自分が独自だと考えていても、同じような境地に達する人は何人も出てくる。
また、他の人からの影響を少なくするといっても、全く影響を受けないことはなく、むしろ良いところは参考にすればよい。
こうして自分の境地ができた人は、自分と近い人と何らかの連携をとるだろう。質(クオリティ)は、この連携の中でできてくる。
成熟した社会で生きるということは、こうして生まれる質(クオリティ)を問うことだと考えている。