消費税増税は、不動産賃貸業にどのような影響を及ぼすか。
1 居住用マンションの場合、入居者が支払う家賃は非課税であり、預かった消費税がないので消費税の還付はない。
なお、この点に関して、居住用マンションの前に自動販売機を設置して、預かった消費税を作る節税法があるが、将来的には法改正もあると思われるので、ここでは立入らない。
居住用マンションを建設するにあたっては、消費税を払っており、増税の前後で差が生ずる。この差は、居住用マンションの賃料設定に差をもたらし、競争力の差となると思われる。
2 消費税が課税される賃料の場合は、預かった消費税が発生し、支払った消費税との差額によって、消費税の還付が生ずる。
この場合、消費税増税は、還付額の増額に結びつく。建設直後の還付は大きな金額となり、建設への投資促進に結びつく面もあるのかもしれないが、還付後は、預かった消費税を納めていくのだから、消費税増税は、中立的といえるのだろう。
ただし、デフレの続く今日、建物オーナーは、消費税増額分を簡単に入手できるとは考えられず、消費税込みの賃料額は変えられないだろうから、消費税増額分は実質、建物オーナーの負担となってしまう恐れがある。