2 職務分担制を前提とする業務監査
常勤監査役と非常勤監査役とでは期待される職分は異なる。非常勤監査役の中でも弁護士の社外監査役はその能力に応じた職分があるといえる。これから の業務監査は、こうした職分を組織化し、監査役会として有効に機能することにある。
たとえば、常勤監査役は、監査役監査チェックリスト試案(社団法人日本監査役協会)などに基づくチェックをなす。弁護士である社外監査役は、法の適 用の面で監査を実施する。このような分担の形態もミニマムのものとして考えうる。この分担は会社の業務分野別の分担ではなく、機能別の分担である。
情報化技術が進展し、ネットワーク化が進行する社会では、専門的な監査機能を組織化することが可能であり、また期待される。この機能別の分担を有効 に機能させることが監査役会の役割である。