ジェニファー・バートレットと森山大道
ジェニファー・バートレットのIn the Garden♯190を見てから、森山大道のstray dog,Misawaを見ると、黒色が作る構造に思い至る。
ともに具象作品なのだが、黒色の構造に眼がいくと、抽象化が始まる。
抽象作品は、作家がどのように、その作品に至ったのか不明であることが多く、自分自身の一方的な考えで見方を展開していくしかない。自分自身の一方的なものだけに、正解を求めると、自信が持てず、抽象作品を敬遠することにもなってしまう。
これに対して、具象作品の中に抽象を見つけると、まだあやふや感が少なく感ずる。
しかし、抽象作品でも具象作品でも、抽象の世界に至る道筋はあるのだと思う。スタートが抽象作品か具象作品かで違える必要はないのだろう。