財産分与請求権とは、離婚した人の一方が他方に対して財産の分与を求める権利です。(民法768条1項)
 これには、?夫婦が婚姻中に協力して蓄財した財産の清算、?離婚後の経済的弱者に対する扶養料、?相手方の有責な行為により、離婚を余儀なくされたことについての慰謝料、という三つの要素が含まれています。

 請求手続としては、離婚成立後に調停ないし審判を申し立ててもよいとされています。通常は離婚調停の中で請求し、離婚が不調となった後、離婚訴訟に附帯して請求することが多いです。

 財産分与の額及び方法は、「一切の事情」を考慮して定められます。(民法771条・768条3項)ここでいう一切の事情には、事実審の口頭弁論終結時における、当事者双方の財産状態も含まれます。

 財産分与は金銭支払をもって行われることが多いですが、金銭以外の財産をもって行うこともでき、その場合にはその財産を特定すればよいとされています。複数ある不動産、ゴルフ場会員権を夫と妻の双方に振り分け、価格の不均等を金銭的に清算した裁判例もあります。(東京地裁判決平成11年9月3日)


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