結果からさかのぼって責任が問われることがある。
たとえば、夫婦関係が破綻している状態で、夫が他の女性と不倫関係になってしまったというケースを考えてみます。
夫婦関係が完全に破綻してしまってから不倫関係になった場合、不倫関係により夫婦関係が破綻したという因果関係はないのですから、責任を問われることがないのが原則です。
しかし、夫婦関係の破綻が、妻の側から夫に他の女性と不倫関係があるのではないかと邪推した(本当は不倫関係はなかった)結果であった場合、不倫関係の有無、夫婦関係破綻の時期などが争点となってきます。
このような場合、妻の側からは、不倫を裏付ける決定的な証拠は出せません(不倫の事実がないから当然なのですが。)
ところが、妻の側からのたび重なる攻撃の結果、夫と不倫を疑われた女性とが、本当に不倫関係になってしまった場合、この結果から、不倫関係のなかった時期までさかのぼって、不倫関係が認定されてしまうことがあります。
真実には反するのですが、結果からさかのぼって不利な認定を受けてしまうのです。
このことの是非は、ここでは問題としません。
これが現実なのだということです。