債権は回収しなければ価値がない
中小企業と債権回収
回収できない売掛金債権は,不良債権と化します。一定の回収努力をした上で,未来を向いて損金処理すれば良いのかというと,中小企業ではそうもいきません。キャッシュフローに余裕がない中小企業では,不良債権の発生は資金繰りの悪化に直結し,担当営業者のモラル低下や後始末に割かれる人員手配,対外的(金融機関・取引先)への信用低下にも影響が及びます。ましてや,不良債権発生が引き金になって,連鎖倒産に追い困れてしまう事例も散見されるところです。
一方で,少額の不良債権では,回収コストの方が高くなってしまう場合も少なくないため,実際の回収業務に踏み込むことも二の足を踏んでしまうことでしょう。
債権回収の極意は,予防策の実施に尽きるところですが,臨床的に通常回収が困難な事態が発生した場合には,いかに早く危機的状況にあるのかを察知し,示談交渉でのポイントを押さえ,果敢に法的措置に踏み込んでいくことが欠かせません。そうした知識は,終局的には強制執行実務から逆算することができる,弁護士に蓄積されているノウハウであり,是非とも活用していただきたい分野の一つです。
地方自治体の多数債務者からの債権回収
公営住宅の賃料,公営病院の診療代等の債権回収にお困りの自治体も多いのではないでしょうか。
特に,公営住宅は,多くの場合,住宅確保に困っている低所得世帯に対し,自治体が比較的安価な家賃で供給している住宅であり,住民福祉の観点からなくてはならないものといえますが,他方で,生活困窮等の理由から滞納者が増えているのが現状です。
また,公営病院についても,地域住民の拠りどころであり,病院には患者に対する診療義務もあるため,診療代の滞納は,運営者である自治体にとっての大きな負担となります。
もちろん,生活に困窮する等、様々な背景事情を持つ滞納者に対し,その生活を破綻させるような無理な取立てをすることは,公営住宅や公営病院の存在意義を失わせることにもなります。しかし,滞納が積み重なれば,自治体の財政を圧迫し,かえって住民からの不信を招きます。
そこで,当事務所では,債権回収にお困りの自治体に代わり,法律事務所としての専門的・倫理的知見を生かして,滞納者個々の事情に合わせた適切かつ公平な債権回収業務を行います。また、当事務所は、これまで多くの受託実績を有しており、そこで培った独自のシステムにより業務の効率化(及びそれに伴う費用の低減化)を図ることができています。中部地区・関西地区を中心として,数多くの自治体から受託している実績もご覧ください。