1 貸金業者の金利を規制する法律
 出資法・・・刑事罰が科される金利を定める法律
 利息制限法・・・民事効力の限界となる金利を定める法律
 利息制限法を超える利息は、無効となるだけで、刑罰は科されません。

2 グレーゾーン金利 
 下記表のとおり、出資法で定める金利のほうが、利息制限法で定める利率よりも高く、出資法と利息制限法の金利の差の部分が、いわゆるグレーゾーンと呼ばれるものです。
 利息制限法を超える利率でお金を貸しても、出資法の利率を超えなければ刑事上刑罰がないことから、サラ金、消費者金融などの貸金業者はそのほとんど全てが、グレーゾーン金利(利息制限法を超えるが、出資法の制限以下の金利)で、お金を貸しています。
      出資法の金利上限   利息制限法の金利上限(違約金利)
10万未満         29.20%          20%(29.20%)
10万超?100万未満   29.20%          18%(26.28%)
100万超          29.20%          15%(21.90%)

3 返済状況の見直し 
 現在の判例は、利息制限法で定める利率を超えて払った返済金については、貸金業者に対する返還請求を認めています。
 返済期間が長期にわたる場合には、過払い金(利息制限法に基づいて計算した額を超えて払った金員)が発生している可能性が高く、この場合には、余分に払った金員を貸金業者から回収することができます。
 過払い金の有無については、業者から取引履歴を取り寄せ、利息制限法に基づいて引き直し計算することで明らかになります。
 現在、負債が多く債務整理を考えている方も、実は返してもらえるお金があるかもしれないのです。

 また、返済期間が短い場合でも、貸金業者との契約通りの返済をしている場合、本来払わなくてもいい利息(利息制限法の利率を超える利息)を払っていることが十分考えられます。

 一度、これまでの取引を見直した上で、過払い金があれば回収し、過払い金がなくても、利息制限法の正しい利率に基づき、今後の返済について業者と話し合うことをおすすめします。
 業者に対する取引履歴の開示請求については、弁護士等が代理人となって行うことが、一番スムーズです。
 また、その後の引き直し計算や過払い金の請求、今後の返済についての話し合いも、弁護士が、借入れをされている方と業者の間に立って行うことが、正確かつ迅速な解決につながります。

 まずは、お気軽にご相談下さい。
 当職が代理人となり、業者に取引履歴の開示を求め、引き直し計算致します。


1 債権者(貸金業者等)に対し、受任通知を送付し、取引履歴の開示を請求する 
 債権者によっては、古い取引部分については開示してこない場合もあります。
 しかし、取引が長くなればなるほど過払いが発生している可能性は高くなるため、全取引について開示請求します。
(※ 契約日、最初の借入日の分かる資料があれば、ご用意下さい。)

2 利息制限法に基づいて、引き直し計算する 
 債権者から開示された取引履歴を基に、利息制限法に基づいた利率で計算し直します。債権者が、利息制限法の上限を超えた利率で債権を回収していた場合、過払い金が発生してきます。
 なお、債権者から全部又は一部の履歴が開示されなかった場合、依頼者の方の記憶に基づいて推定計算します。
 また、この時、5パーセントの過払い利息を付けて計算します。

3 過払い金返還請求(文書あるいは口頭で)  
 当方計算額について、返還請求します。
 債権者が最初からこちらの請求額での和解に応じることはほとんどなく、時効の主張や減額の申し入れがあることがほとんどです。債権者の経営状況、これまでの傾向なども参考にし、原則全額回収を目指します。

4 不当利得返還請求訴訟 
 任意での和解ができなかった場合に、訴訟(不当利得返還請求訴訟)を提起する場合があります。
 訴訟提起後、債権者側から訴外での和解の提案がある場合も多く、場合によっては訴訟提起も有効といえます。
 ただし、債権者によっては判決まで出ても回収不能な業者もありますので、依頼者の方の意向をお聞きしながら、業者ごとに対応を図ります。