債務者の信用情報調査
無い袖は振れない
『無い袖は振れない(手元不如意)』という状況が,債権回収にとって一番不味い状況になります。相手方に返済能力があることを確認することは,取引の開始前に債権者が成すべき必須の行動です。
債務者に任意に見せて貰えるのであれば,貸借対照表・損益計算書,勘定科目内訳書を拝見した上で,取引を開始することが肝要です。
財産の強制開示は難しい
強制的に財産状況を開示することは,対象財産を特定した場合に,弁護士照会制度,裁判所の調査嘱託制度等を利用して可能です。しかしながら,対象財産の所在をある程度特定する必要があり,危機時期には回答を得るまでの間に財産隠しに遭う可能性も少なくありません。
その意味でも事前の信用情報調査は,予防策の中核的要素と言っても過言ではないでしょう。