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清算型遺言(不動産売却)

 清算型遺言とは,清算型相続承継(遺産を全部又は一部換価し,相続債務・執行費用・死後事務費用等を控除した上で残額を承継させる相続方式)を内容とする遺言です。この場合,前提として,遺言事項にて遺言執行者の選任をしておく必要があります。

遺言執行者による不動産換価

 遺言執行者が第三者に不動産を売却換価する場合,売主名義は相続人全員となり,登記手続は一旦相続人全員での相続登記を付けた上で,遺言執行者と第三者との共同申請で移転登記を行うことになります。つまり,登録免許税が2回発生しますのでご注意ください。

譲渡所得税に要注意

 上記不動産換価には,譲渡所得税が発生します。相続開始後から10か月以内に実施する準確定申告により,当該譲渡所得税は法定相続人に相続分に応じて課税されてしまうため,遺産の取得部分が少ない相続人からはクレームが生じる可能性があります。
 対策としては,清算対象に譲渡所得税も含むことを遺言上に明記しておき,遺言執行者が管轄税務署と事前対応の上で,相続財産から支払うよう説明しておく必要があるでしょう。


投稿者名 柴垣直哉 投稿日時 2016年01月25日 | Permalink