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その他婚姻を継続し難い重大な事由

 日本における離婚制度は,協議上(示談・調停)で離婚できない場合,離婚訴訟を提起の上で判決による離婚形成が必要になります。裁判上の離婚については,離婚原因が法定されており,最後に登場するのが「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。」(民法770条1項5号)です。
 一体どんな内容なのか,説明していきたいと思います。

婚姻関係の不治的破綻

 当該離婚原因は,他の4つの例示を踏まえて抽象的・包括的に定められているものであり,全ての離婚原因に共通する要素,すなわち,婚姻関係が深刻に破綻し,共同生活の回復の見込みがない場合一般を指していると解されています。
 不治的破綻とは,夫婦としての信頼が完全に切れているという認識(主観的側面),外形的にも修繕不能状態と評価できる状態(客観的側面)の両面が必要です。

具体的な類型

認められる類型としては以下の通りです。詳細は,個別の記事をご参照下さい。
①長期の別居
②暴行・虐待等の犯罪行為
③不労・浪費
④過度な宗教活動
⑤軽度の精神障害
⑥セックスレス・異常性癖
⑦性格の不一致
⑧他方配偶者親族との不仲

 加えて,最近では,新しい類型も登場しています。モラルハラスメントは,その最たる例と言えるでしょう。


投稿者名 柴垣直哉 投稿日時 2016年12月23日 | Permalink