事業承継の方法
事業承継の方法には、大きく分けて次の3つがあります。
それぞれのメリット、デメリットは以下の通りです。(中小企業庁「事業承継ガイドライン」より)
(1)親族内承継
■メリット
・一般的に、内外の関係者から心情的に受け入れられやすい。
・後継者を早期に決定し、後継者教育等のための長期の準備期間を確保することも可能。
・相続等により財産や株式を後継者に移転できるため、所有と経営の分離を回避できる可能性が高い。
■デメリット
・親族内に、経営の資質と意欲を併せ持つ後継者候補がいるとは限らない。
・相続人が複数いる場合、後継者の決定・経営権の集中が難しい(後継者以外の相続人への配慮が必要)。
(2)従業員等への承継
■メリット
・親族内だけでなく、会社の内外から広く候補者を求めることができる。
・特に社内で長期間勤務している従業員に承継する場合は、経営の一体性を保ちやすい。
■デメリット
・親族内承継の場合委譲に、後継者候補が経営への強い意志を有していることが重要となるが、適任者がいないおそれがある。
・後継者候補に株式取得等の資金力が無い場合が多い。
・個人債務保証の引き継ぎ等に問題が多い。
(3)M&A
■メリット
・身近に後継者に適任な者がいない場合でも、広く候補者を外部に求めることができる。
・現経営者が会社売却の利益を獲得できる。
■デメリット
・希望の条件(従業員の雇用、価格等)を満たす買い手を見つけるのが困難である。
・経営の一体性を保つのが困難である。
次に、それぞれの方法についてもう少し詳しくご紹介します。