「大切な配偶者や子に禍根を残すことなく遺産を承継させたい。」と誰しもが思う時代です。相続財産の承継方法は、本来、遺言を用いることで、被相続人となられる“あなた”に一定程度の処分権限が与えられています(Ex,相続分の指定・遺産分割方法の指定・遺贈・遺言執行者の指定・特別受益の持戻し免除・祭祀主催者の指定・相続人廃除等。)。当事務所では、自筆証書遺言・公正証書遺言の作成を通じて、将来の相続紛争を防止するべく、“あなた”の意向に沿った対策をご提案させていただきます。
 近時、相続税法の改正(定額控除及び法定相続人数比例控除の減額)により、生前贈与にも注目が集まっています。もっとも、生前贈与には、節税対策(Ex,相続税法が定める贈与税の基礎控除、相続税の贈与税額控除等。)と相続対策(Ex,特別受益の持戻し免除等。)の両面が必要です。当事務所では、提携している税理士と共に、ワンストップでのサービスをご提供させていただきます。


 超高齢化社会を迎える中で,人口動態統計によれば,近時,死亡率の上昇度合いは太平洋戦争時を上回る勢いです。円満だった兄弟姉妹が,相続財産の承継方法を巡って骨肉の争いを繰り広げることを被相続人は予想していなかったでしょう。民法が定める法定相続分は,旧民法下で家督相続を体験している被相続人が通常想定する内容(跡継ぎへの資産承継)を考慮せず,公平な割合配分しか定めていません。「金の切れ目が縁の切れ目」の諺にある通り,たとえ権利としての請求であっても,拗れた遺産分割協議は,それまでの親族関係を破壊します。

 遺産紛争では,前提問題として複数の法律問題(Ex,①相続人の確定,②遺言の有無・有効性の確定,③遺産範囲の確定等。)が存在し,更に,④特別受益(遺産の前渡しと評価できるもの生前贈与が対象)の持戻し,⑤寄与分(被相続人の遺産維持・形成に特別の貢献)の有無によって法定相続分が修正されます。遺言内容によっては,遺留分(法律上取得が保証されている相続財産の一定割合)の確保のため,多く貰い過ぎている相続人に対し,遺留分減殺請求を実施する必要も出てきます。その他,相続債務が過大に存在する場合,限定承認又は相続放棄の申述手続も忘れてはいけません。

 紛争が顕在化した遺産分割問題は,弁護士法に基づいて行政書士・司法書士では対応できない争いとなり,解決には調停・審判制度を利用することになります。ご相談は,是非,紛争解決の専門家である弁護士にお任せ下さい。